人にして恒なくんば、以て巫医を作すべからず
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子曰、南人有言曰、人而無恆、不可以作巫醫、善夫、不恆其徳、或承之羞、子曰、不占而已矣、
子の曰わく、南人(なんじん)、言えること有り。曰わく、人にして恒(つね)なくんば、以て巫医(ふい)を作(な)すべからずと。善いかな。其の徳を恒にせざれば、或るいはこれに羞(はじ)を承めん。子の曰わく、占わざるのみ。
現代語訳
先生がおっしゃった。南方の人がこのような言葉を言っている。「人として一定不変な心が無ければ、巫女の祈祷も鬼神に心通じることができないから効果はなく、医者の医術もうまくいかないから効果は無いと。いい言葉だ。その徳を一定のものにしなければ、もしかしたら恥となるような悪い行いを他人が薦めてくるかもしれない」
先生がおっしゃった。「こんなことは、占うまでもない、当たり前のことだ」
語句
■南人 南方の人。 ■恒 一定した心。 ■巫医 「巫」は祈祷師。「医」は医者。
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現代語訳・朗読:左大臣光永