君子これに居らば、何の陋しきことかこれ有らん
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子欲居九夷、或曰陋如之何、子曰、君子居之、何陋之有、
子、九夷(きゅうい)に居らんと欲す。或るひとの曰わく、陋(いや)しきことこれを如何せん。子の曰わく、君子これに居らば、何の陋しきことかこれ有らん。
現代語訳
先生は、中国で道が行われないので、いっそ東方の異民族の国に行こうとされた。ある人が言った。「風俗の卑しい土地です。そんな所へ行ってどうするつもりですか」先生がおっしゃった。「君子がそこに居れば、何の卑しいことがあろうか(君子が周りを感化してしまうので、賤しい土地でも礼を知るようになる)」
語句
■九夷 東方の異民族。九種類あったので「九夷」という。 ■陋しい 風俗が中国と比べて卑しい。
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現代語訳・朗読:左大臣光永