焉んぞ佞を用いん
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或曰、雍也仁而不佞、子曰、焉用佞、禦人以口給、屢憎於人、不知其仁、焉用佞、
或るひとの曰わく、雍や、仁にして佞(ねい)ならず。子の曰わく、焉(いずく)んぞ佞を用いん。人に禦(あた)るに口給(こうきゅう)を以てすれば、しばしば人に憎まる。其の仁を知らず、焉んぞ佞を用いん。
現代語訳
ある人が言うことに、雍は仁ではあるが、弁舌たくみでないのが惜しいと。先生がおっしゃった。どうして弁舌たくみな必要があるものか。人に応答するのに口に任せて物を言えば、しょっちゅう人に憎まれる。雍が仁であるかは私は知らないが、どうして弁舌たくみである必要があるものか。弁舌のたくみさなど必要ない。
語句
■雍 孔子の弟子。姓は冉(ぜん)。名は雍。字は仲弓。口数少なく徳行にすぐれていた。 ■佞 口先だけの弁舌のたくみさ。■禦る 応答する。 ■口給 口に任せて物を言うこと。
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現代語訳・朗読:左大臣光永