邦に道なければ即ち愚

子曰、甯武子、邦有道則知、邦無道則愚、其知可及也、其愚不可及也、

子の曰わく、甯武子、邦に道あれば即ち知、邦に道なければ即ち愚。其の知は及ぶべきなり、其の愚は及ぶべからざるなり。

現代語訳

先生がおっしゃった。甯武子は世の中が治まっている時は時節をわきまえて自分を売り込み、聡明であった。しかし世が乱れると、わが身の安全も顧みないで国家と君に尽くした。それはまるで、わが身の安全を考えない愚か者のようであった。甯武子の聡明さは誰にでもマネできるが、その愚かさは誰にもマネすることはできない。

語句

■甯武子 衛の大夫で名を兪(ゆ)。文公と成公に仕えた。文公は徳のある君主だったが成公は徳の無い君主だったので衛の国が滅んだ。 ■道あれば 世が治まっていること。 ■道なければ 世が乱れていること。

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現代語訳・朗読:左大臣光永