帰らんか、帰らんか

【無料配信中】足利義満
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

子在陳曰、歸與歸與、吾黨之小子狂簡、斐然成章、不知所以裁之、

子、陳に在(いま)して曰わく、帰らんか、帰らんか。吾が党の小子(しょうし)、狂簡(きょうかん)、斐然(ひぜん)として章を成す。これを裁する所以(ゆえん)を知らざるなり。

現代語訳

先生は陳にいらした時おっしゃった。帰ろう、帰ろう。わが仲間の弟子たちは、志は大きく小さいことにこだわらない。(ただ惜しいことに)色彩や模様の美しい錦をなしているが、これをうまく裁断して整える方法を知らないのだ。だから、こんなつまらない場所は早く去って、魯の国に帰らなければならない。

語句

■陳 現河南省中部の小国。 ■吾が党の小子 わが仲間の弟子たち。魯に残してきた門人たちをいう。 ■狂簡 「狂」は志の大きいこと。「簡」は小事にこだわらないこと。 ■斐然 色彩が美しいこと。 ■章を成す 模様が美しいこと。■裁する 割いて正しく整えること。

前の章「邦に道なければ即ち愚」|次の章「旧悪を念わず

現代語訳・朗読:左大臣光永

【無料配信中】足利義満