大師摯は斉に適く

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大師摯適齊、亞飯干適楚、三飯繚適蔡、四飯缺適秦、鼓方叔、入於河、播鼗武、入於漢、少師陽、撃磬襄、入於海、

大師(たいし)摯(し)は斉(せい)に適(ゆ)く。亜飯(あはん)干(かん)は楚に適く。三飯繚(りょう)は蔡に適く。四飯缺(けつ)は秦に適く。鼓(こ)方叔(ほうしゅく)は河に入る。播鼗(はとう)武(ぶ)は漢に入る。少師(しょうし)陽・撃磬(げきけい)襄(じょう)は海に入る。

現代語訳

魯の(あるいは殷の)国政が乱れて音楽がすたれたので、魯(あるいは殷の)宮廷を去る音楽係が多かった。宮廷音楽長の摯(し)は斉の国へ逃げた。天子が二度目の食事をする時に音楽を奏する役人である干(かん)は楚に逃げた。天子が二度目の食事をする時に音楽を奏する役人である(りょう)は蔡に逃げた。天子が四度目の食事をする時に音楽を奏する役人である缺(けつ)は秦に逃げた。鼓を打つ役である方叔(ほうしゅく)は河内(かだい)へ逃げた。ふり鼓を動かす役である武(ぶ)は漢に逃げた。宮廷音楽長の補佐官である陽と楽器の「磬(けい)」を打つ役である襄は海の中の島に逃げた。このように国に礼が失われ乱れる時は、音楽係も逃げ出すのである。

語句

■大師 宮廷音楽長。 ■亜飯 天子が二度目の食事をする時に音楽を奏する役人。以下、三飯は三度目の食事をする時に音楽を奏する役人。四飯は四度目の食事の時の。 ■鼓 鼓を打つ役。 ■播鼗 はとう。ふり鼓を動かす役。■少師 しょうし。宮廷音楽長の補佐官。 ■撃磬 楽器の「磬(けい)」を打つ役。

現代語訳・朗読:左大臣光永

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