吾れは猶お史の文を闕き…
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子曰、吾猶及史之闕文也、有馬者借人乘之、今亡矣夫、
子の曰わく、吾れは猶お史の文を闕き、馬ある者は人に借してこれに乗らしむるに及べり。今は則ち亡きかな。
現代語訳
先生がおっしゃった。私は書記官が疑わしい記述があった時はその部分を空白にしておいて後の人の判断を待ち、馬を持っている人が持っていない人に貸して乗せてやるといった、あわれみ深い時代をじかに見てきた。今はもうあんなこと、無いだろう。人の心がすさんでしまったからね。
語句
■史 書記官。記録官。 ■文 疑わしい文字。記述。 ■及べり それをじかに目にする機会があった。
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現代語訳・朗読:左大臣光永