顔淵、喟然として嘆じ曰わく
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顔淵喟然歎曰、仰之彌高、鑽之彌堅、瞻之在前、忽焉在後、夫子循循然、善誘人、博我以文、約我以禮、欲罷不能、既竭吾才、如有所立卓爾、雖欲從之、末由也已、
顔淵、喟然として嘆じ曰わく、これを仰げば弥々(いよいよ)高く、これを鑽(き)れば弥々堅し。これを瞻(み)るに前に在れば、忽焉(こつえん)として後(しりえ)に在り。夫子、循循然として善く人を誘(いざな)う。我れを博(ひろ)むるに文を以てし、我れを約するに礼を以てす。罷(や)まんと欲するも能はず。既に吾が才を竭(つ)くす。立つ所ありて卓爾(たくじ)たるが如し。これに従わんと欲すと雖ども、由なきのみ。
現代語訳
顔淵がああと嘆いて言った。「先生の教えを仰ぎ見ればいよいよ高く、これに切りこもうとすると、いよいよ固い。これを見るに前にあったかと思うと不意に後ろにある。先生は順序よく整然と人をお導きになる。
私を文をもって広め、礼をもってひきしめられる。止めようとしても止められるものではない。すでに私の才は出尽くしている。先生は高々と立っているように見える。先生に従っていこうと思うが、どうにもならない
語句
■喟然 「ああ」という声。嘆息。 ■鑽る タガネで金を切る。 ■忽焉として 不意に。 ■循循然 順序よく整然と。 ■立つ所ありて 足場の上に立っているように、高々と立っていること。 ■卓爾 立っている様子。
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現代語訳・朗読:左大臣光永