井に仁ありと曰うと雖も、其れこれに従わんや

■【古典・歴史】メールマガジン
■【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル

宰我問曰、仁者雖告之曰、井有仁者焉、其從之也、子曰、何爲其然也、君子可逝也、不可陥也、可欺也、不可罔也、

宰我、問うて曰わく、仁者はこれに告げて、井(せい)に仁ありと曰(い)うと雖も、其れこれに従わんや。子の曰わく、なんすれぞ其れ然らん。君子は逝(ゆ)かしむべきも、陥るべからざるなり。欺くべきも、罔(し)うべからざるなり。

現代語訳

宰我が質問して言うことに、仁者に告げて、井戸に人が落ちているとウソをついたとしても、仁者はこれに従うのですか。(そんなウソにもバカ正直に従うなら仁者とはくだらないものです)先生がおっしゃった。どうしてそんなことになるだろう。君子を井戸まで行かせることはできても、井戸を覗けば人が落ちているかどうかなんて、すぐにわかることだから、井戸に落とし込むことはできない。道理のあることで君子を欺くことはできても、道理の無いことで君子を騙すことはできないよ。(だから、やっぱり仁者はいいものだ)

語句

■仁 ここでは「人」と見る。 ■陥 (井戸の中へ)落とし込む。 ■欺く 道理のあることで欺く。 ■罔う 道理の無いことで騙す。

現代語訳・朗読:左大臣光永

■【古典・歴史】メールマガジン
【古典・歴史】YOUTUBEチャンネル