相くるは維れ辟公、天子穆穆

三家者以雍徹、子曰、相維辟公、天子穆穆、奚取於三家之堂、

三家(さんか)は雍(よう)を以て徹(てっ)す。子の曰わく、相(たす)くるは維(こ)れ辟公(へきこう)、天子穆穆(ぼくぼく)と。奚(なん)ぞ三家(さんか)の堂に取らん。

現代語訳

孟孫、淑孫、季孫の三家は政権を独占し、専横をきわめているが、ある時先祖を祭る儀式で供物を下げる際、詩篇の雍(よう)の歌を歌った。これについて先生がおっしゃった。「諸侯が助けてくれるので、君子は悠然と構えていられる…そういうのが雍の歌詞なのだ。それを臣下にすぎない三家が歌うとは何事か。三家には諸侯も君子もないのに、どうして三家の御殿の表座敷では雍を歌っているのか。とんでもないことだ。

語句

■三家 孟孫、淑孫、季孫の三家で、いずれも魯の家老を務め、権勢さかんな家であった。 ■雍 詩篇の名。『詩篇』の周頌にある。 ■徹す 祭りの供物をさげる。 ■相(たす)くる 天子を助けて、諸侯が政治を行うこと。 ■辟公 諸侯。 ■天子穆穆 祭祀たる君子は、諸侯が助けてくれるので、悠然と構えているということ。 ■取る 取り用いる。 ■堂 御殿の表座敷。 

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現代語訳・朗読:左大臣光永