衆に違うと雖ども、吾れは下に従わん
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子曰、麻冕禮也、今也純、儉、吾從衆、拜下禮也、今拜乎上、泰也、雖違衆、吾從下、
子の曰わく、麻冕(まべん)は礼なり。今や純(じゅん)なるは倹(けん)なり。吾れは衆に従わん。下に拝するは礼なり。今上に拝するは泰なり。衆に違(たが)うと雖ども、吾れは下に従わん。
現代語訳
先生がおっしゃった。昔は麻の冠をかぶるのが礼だったが、麻の冠を織るのは大変な手間なので、今は絹糸が使わている。これは手間をはぶき倹約になるので、道理にかなっている。
一方、臣下が主君に招かれた時、堂の下で拝するのが礼であるが、今は堂の上で拝している。これは単なる傲慢であり、道理も何もない。だから私は、こういう道理にかなっていないことは、皆がやっているからといって、やらない。私は堂の下で主君を拝する。
語句
■麻冕 麻で織った冠。正式な席でかぶるものだったが、作るのに手間がかかるので用いられなくなっていた。 ■純 絹糸。 ■倹 倹約。 ■下 堂の下。 ■泰 驕りたかぶっていること。
現代語訳・朗読:左大臣光永