柳下恵、士師と為り、三たび黜らる

柳下惠爲士師、三黜、人曰、子未可以去乎、曰、直道而事人、焉往而不三黜、枉道而事人、何必去父母之邦、

柳下恵、士師と為り、三たび黜(しりぞけ)らる。人の曰わく、子(し)未だ以て去るべからざるか。曰わく、道を直(なお)くして人に事うれば、焉(いず)くに往くとして三たび黜(しりぞけ)られざらん。道を枉(ま)げて人に事うれば、何ぞ必ずしも父母の邦(くに)を去らん。

現代語訳

魯の柳下恵は司法官の長となったが、何度も退けられた。人が言った。「まだ他国へ行かれないのですか。(自国で用いられないなら、他国で任官活動をしてもいいでしょう)」

柳下恵は言った。「まっすぐに道を通して人に仕えようとすれば、どこへ行っても何度も退けられるものです。道をまげて人に仕えるくらいなら、どうしてわざわざ父母のいる魯の国を離れることがあるでしょうか(道は曲げませんし、他国へも行きません)」

語句

■柳下恵 魯の大夫。衛霊公第十五・十四章に登場。 ■道を直くして まっすぐに道理を通して。 ■士師 司法官の長。

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現代語訳・朗読:左大臣光永