予れは一以てこれを貫く
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子曰、賜也、女以予爲多學而識之者與、對曰、然、非與、曰、非也、予一以貫之、
子の曰わく、賜や、女(なんじ)予(わ)れを以て多く学びてこれを識(し)る者と為すか。対(こた)えて曰わく、然り。非なるか。曰わく、非なり。予れは一(いつ)以てこれを貫く。
現代語訳
先生がおっしゃった。「賜や、お前は私が多くを学んで、それをいちいち記憶している者と思っているかね」
答えて言った。「そう思っています。違うのですか」
先生がおっしゃった。「違う。私はすべてを貫く一つの根本の原理に沿って、個々の事例に対処しているに過ぎない。いちいち細かい知識や個々の事例を記憶しているのではない」
語句
■識る 記憶する。 ■一 一番大事な根本の道理。
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現代語訳・朗読:左大臣光永