樊遅従いて舞【雨+万】の下に遊ぶ

樊遅從遊於舞雩之下。曰。敢問崇徳。脩慝。辨惑。子曰。善哉問。先事後得。非崇徳與。攻其惡。無攻人之惡。非脩慝與。一朝之忿。忘其身以及其親。非惑與。

樊遅従いて舞雩(ぶう)の下(もと)に遊ぶ。曰わく、敢えて徳を崇(たか)くし慝(とく)を脩(おさ)め惑いを弁ぜんことを問う。子の曰わく、善いかな、問うこと。事を先きにして得ることを後にするは、徳を崇くするに非ずや。其の悪を攻めて人の悪を攻むること無きは、慝を脩むるに非ずや。一朝の忿(いきどお)りに其の身を忘れて以て其の親(しん)に及ぼすは、惑いに非ずや。

現代語訳

樊遅が先生にしたがって雨乞いをする舞台の下で遊んだ時のこと、樊遅が質問した。「ご質問いたします。徳を高めよこしまな心を取り除き心の迷いを明らかにすることについて」

先生がおっしゃった。「すばらしい質問だね。まずやるべきことをやって、そこから得られる利益は後回しにするのは、徳を高めることでなかろうか。自分の悪い所を責めて、人の悪い所を責めないのは、よこしまな心を取り去ることではなかろうか。一時の怒りにその身を忘れてその怒りが親にまで及ぶのは、惑いではなかろうか」

語句

■舞雩(ぶう) 雨乞いをするための舞台。土を盛り上げて高台になっている。 ■慝 よこしまな心。 ■脩める 除く。 ■一朝 一時。 ■弁ずる 明らかにする

前の章「聞と達」|次の章「直きを挙げて諸(こ)れを枉(まが)れるに錯(お)けば、能く枉(まが)れる者をして直からしめん

現代語訳・朗読:左大臣光永