君 君たり、臣 臣たり

齊景公問政於孔子、孔子對曰、君君臣臣、父父子子、公曰、善哉、信如君不君、臣不臣、父不父、子不子、雖有粟、吾得而食諸、

斉の景公、政を孔子に問う。孔子対(こた)えて曰わく、君 君たり、臣 臣たり、父 父たり、子 子たり。公の曰わく、善いかな。信(まこと)に如(も)し君 君たらず、臣 臣たらず、父 父たらず、子 子たらずんば、粟(ぞく)ありと雖ども、吾れ豈に得て諸(こ)れを食らわんや。

現代語訳

斉の景公が政治を孔子に問うた。当時景公は多くの女性を愛し後継者が決まらず君と臣、父と子の秩序が乱れていたので、孔子は答えておっしゃった。

「君が君として、臣が臣として、父が父として、子が子として、その本文を全うすることが、よい政治です」

公が言った。

「すばらしい。ほんとうにもし、君が君として、臣が臣として、父が父として、子が子として、その本文を全うしなければ、穀物があるといえども、私はどうしてそれを食らうことができようか」

語句

■斉の景公 名を杵臼(しょきゅう)。当時、多くの女性を愛し後継者が決まらない状態だった。まさに孔子が言うように「君臣、父子」の秩序が乱れた状態だった。孔子はそれを諌める目的で言ったのである。しかし景公は孔子の言をよしとしながらも容れることはなく、後に陳恒(ちんこう)に弑逆された。 ■粟 穀物。俸禄。

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現代語訳・朗読:左大臣光永