子張、明を問う

子張問明、子曰、浸潤之譖、膚受之愬、不行焉、可謂明也已矣、浸潤之譖、膚受之愬、不行焉、可謂遠也已矣、

子張、明を問う。子の曰わく、浸潤(しんじゅん)の譖(そしり)、膚受(ふじゅ)の愬(うったえ)、行われざる、明と謂うべきのみ。浸潤(しんじゅん)の譖(そしり)、膚受(ふじゅ)の愬(うったえ)、行われざる、遠しと謂うべきのみ。

現代語訳

子張が聡明さについて質問した。先生がおっしゃった。浸潤(しんじゅん)の譖(そしり)といって、水が物にしみこむようにジワジワ来るような誹りに対しても心動かされることなく、膚受(ふじゅ)の愬(うったえ)といって、痛切で切実な訴えに対しても心を乱されず、正しい判断ができるなら、そういう者は聡明である。

水が物にしみこむようにジワジワ来るような誹りに対しても心動かされることなく、痛切で切実な訴えに対しても心を乱されず、正しい判断ができるなら、そういう者は遠くが見渡せるのだ。

語句

■浸潤の譖 水が物体にしみこむように、じわじわ来る誹り。 ■膚受の訴え 切実で痛切な訴え。 ■明 聡明さ。曇りがなく、相手のまどわしに乗らないこと。 ■遠 遠くまで見渡せること。

前の章「人と恭しくして礼あらば、死海の内は皆な兄弟たり」|次の章「子貢、政を問う

現代語訳・朗読:左大臣光永