唐棣の華、偏として其れ返せり

唐棣之華、偏其反而、豈不爾思、室是遠而、子曰、未之思也夫、何遠之有、

唐棣(とうてい)の華、偏として其れ返せり。豈に爾(なんじ)を思わざらんや。室是れ遠ければなり。子の曰わく、未だこれを思わざるなり。夫(そ)れ何の遠きことかこれ有らん。

現代語訳

「スモモの花がひらひらと舞い散る中、あなたを思っています。でも住んでいる家が遠すぎて、私の思いは届かず、貴方にお会いできないのです」と、古い歌にあるが、先生がこの歌についておっしゃった。「こんなのは、まだ思いが足りないだけなのだ。本当に相手のことを思えば、何の遠いことがあるものか。(同じように、仁も強く求めれば得られないことは無い。求める思いが足りないだけである)

語句

■唐棣の華 スモモの花。 「~室是れ遠ければなり」までが詩の文句。この詩は『詩経』に無い逸詩(古代の歌謡)。 ■偏として其れ返せり 「偏」も「返」もひるがえること。

前の章「与に立つべし、未だ与に権るべからず」|次の章「孔子、郷党に於いて恂恂如たり

現代語訳・朗読:左大臣光永