禹は吾れ間然すること無し

子曰、禹吾無間然矣、菲飮食、而致孝乎鬼神、惡衣服、而致美乎黻冕、卑宮室、而盡力乎溝洫、禹吾無間然矣、

子の曰わく、禹は吾れ間然すること無し。飲食を菲(うす)くして孝を鬼神に致し、衣服を悪しくして美を黻冕(ふつべん)に致し、宮室を卑(ひく)くして力を溝洫に尽くす。禹は吾れ間然すること無し。

現代語訳

先生がおっしゃった。古代の王・禹は私には非難すべきところが無い。飲食は控えめで孝を宗廟の鬼神に尽くし、普段の衣服は質素にして、祭礼の時はきちんとした衣装を着て礼を尽くした。普段生活する部屋は質素にして、灌漑水路を作ることに力を尽くした。(そのように私を顧みず公に尽くしたのだ)禹は私には非難すべきところが無い。

語句

■禹 古代の王。舜より位を譲られた。 ■間然 欠点をついて非難すること。■致す 尽くす。 ■黻冕 ふつべん。「黻」はなめし皮の膝蔽。「冕」は冠。祭の時の服装。 ■宮室 ■卑 ■溝洫 田の間の水路。

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現代語訳・朗読:左大臣光永