閔子騫が曰わく、善く我が為めに辞せよ

季氏使閔子騫爲費宰、閔子騫曰、善爲我辭焉、如有復我者、則吾必在汶上矣、

季子(きし)、閔子騫(びんしけん)をして費(ひ)の宰(さい)たらしむ。閔子騫が曰わく、善く我が為めに辞せよ。如(も)し我れを復(ま)たする者あらば、則ち吾れは必ず汶(ぶん)の上(ほとり)に在らん。

現代語訳

魯の家老である季子が、孔子の門人閔子騫を、自分の領土にある費の町の代官に任じたいと思い、孔子に使いを送ってきた。閔子騫が孔子に言うことに「私のために辞退してください。もしふたたび私を呼びに来る者があれば、私は魯と斉の境である汶水を超えて、斉に亡命するでしょう。

(季子の政治は道が行われていなかったので、清廉な閔子騫は季子の下で働くくらいなら亡命すると言ったのである)

語句

■季子 魯の家老。 ■閔子騫 孔子の弟子で名は損。子騫は字。■費 季子の領地の町。 ■宰 代官。 ■辞せよ 季子の使いの言葉を取り次いだ孔子に対して言ったもの。 ■汶 魯と斉の境を流れる川。魯の北、斉の南の境にある。

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現代語訳・朗読:左大臣光永