回や愚ならず

子曰、吾與回言終日、不違如愚、退而省其私、亦足以發、回也不愚、

子の曰わく、吾れ回と言うこと終日、違わざること愚なるが如し。退きて其の私を省れば、亦た以て発するに足れり。回や愚ならず。

現代語訳

先生がおっしゃった。私は回と一日中学問の話をしていたが、回は私と意見を違えて反論することもなく、まるで愚人のようであった。しかし回が退いた後、その日常の暮らしぶりを観察すると、私の教えを生活の上で十分なまでに発揮している。回は愚かではない。

語句

■回 孔子の弟子顔回。姓は顔。名は回。字は子淵。孔子がもっとも愛した。孔子より30才年下だが41才で死に、孔子はたいそう悲しんだ。孔子は『論語』の中で何度も顔回をほめている。 ■言う 学問の話をする。 ■私 回の私生活。 ■発するに足れり 私の教えを発揮するのに十分だ。

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現代語訳・朗読:左大臣光永